横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

川瀬巴水展@茂木本家美術館


 以前、ポール・ジャクレー展(こちら)を見たのを機に「新版画」に興味が出てきて、「川瀬巴水 旅と郷愁の風景展」にも行きたくなったが、あいにく関東での巡回展は終わった後。

 でも調べてみたら、千葉県野田市にある茂木本家術館で、小規模ながら川瀬巴水展を開催していた(前期/後期開催で12月10日終了)。所蔵品を分けて展示。

www.momoa.jp

 この美術館には初めて行ったが、混雑を回避するため事前予約制。空いていれば、予約なしでも入れる。川瀬巴水の作品は、日光を避けた窓のない部屋に展示され、入口にカーテンもかかっていた。小規模ながらまとまった量が展示されていた。写生旅行の成果である《旅みやげ》シリーズ、関東大震災から復興する東京を描いた《東京二十景》などなど。

 常設展もお勧め。これも入れ替えなのかな? 小倉遊亀などの日本画、まとまった数の富士山の絵画が展示されていた。

 

  富士山と筑波山を結ぶ線? 上を見上げると……

 

 

 美術館の後は、お庭も散歩できる。敷地の一角には、小さな稲荷神社もある。

 

 

 

 

 

 野田って、埼玉県民には東武野田線でおなじみだけど、初めて行った。うちの小学校で別の学年は遠足でキッコーマン醤油の工場見学に行っている。茂木家というのはキッコーマン醤油の創業家の1つ。コレクションを美術館という形で一般公開して、市民にも還元しているが、近代建築巡りで訪れた大ホール「興風会館」も、地元市民に利用してもらうために創業家が建てたもの。日本でも昔のお金持ちって、<ノブレス・オブリージュ>の精神があるよね。

 野田市駅周辺は企業城下町という印象で、駅から近いところにキッコーマン醬油の工場がある。マスクをしていなかったら、醤油の香りがしたのだろうか。