「ウェス・アンダーソン展」ではなく、「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」って何!?
映画監督ウェス・アンダーソンの映画で使ったセットとか衣装とか展示するんじゃないの? 以前、東京都現代美術館で見た「ミシェル・ゴンドリー世界一周」では映画とミュージックビデオの世界を再現したように。
不思議に思いながら会場の寺田倉庫に行ってみれば、英語の原題「Accidentally Wes Anderson」(AWA)の説明が。米国のコーヴァル夫妻が旅先で偶然「ウェス・アンダーソンの映画に出てきそうな」風景を見つけ、写真をインスタグラムに載せたところ、世界各地のフォロワーから同様のコンセプトの写真が集まったという。
三重県桑名市のナガシマスパーランド
冷静に考えると、ウェス・アンダーソンの映画には「出てこなかった」場所ばかりなのだが、それでも「出てきそう」な写真ばかりなのだ。「移動」、「ホテル」、「プール」などのテーマごとにまとめられている。
左2枚は東京、右は富山の列車
そして会場にある写真はすべて、撮影OKだという。さすがにキリがないので、いくつか「いいな」と思ったものだけを絞って撮ってきた。
まとまった量の写真を見て、「ウェス・アンダーソンらしい風景」を私なりに改めて考えてみた。左右対称な建物、繰り返し模様、独特の青い空、パステルカラー……他にもありそう。
ウェス・アンダーソン本人の作品でもないのに、このような展覧会が成立したのはやはり、世界中の誰もが、自由に旅に出られない数年間を過ごしたからだろう。
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