横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

木村伊兵衛と画家たちの見たパリ@目黒区美術館

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 第二次世界大戦後の1950年代、アンリ=カルティエブレッソンの招きでフランスへ渡った木村伊兵衛の写真展。

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 少し前に映画「フレンチ・ディスパッチ」(記事はこちら)を見たが、街や建物の雰囲気、道行く人々の服装がまさにこんな感じだった。特に、女性の髪形やスカートの形がオードリー・ヘップバーンの映画に出てきたものと同じで、1950年代頃のモノクロ映画がカラーだったなら「こんな風だったのかな」と思った。

 走っている車もレトロで、帽子をかぶっている人も多かったし、男性はジャケットにネクタイ。女性はスカーフに手袋。大学一年生の時のフランス語の教科書に、そんな格好の人たちが出てきたな。

 モデルにポーズを取らせた写真もあるが、大半はポージング無関係、なんならバランスの良い構図も無関係で、スナップ写真らしいさりげなさ。街の人に一言断って撮らせてもらったらしい写真もあれば、ささっと撮った写真もある(カメラ目線じゃないので)。

 霧に包まれるパリの光景が新鮮だった。ロンドンの霧やリヨンの霧も有名だけれど、パリだってセーヌ川があるし、暖炉を使っていたからね。


 あまり写真展は行かないのだけど、久しぶりにフランスらしい展示が見たくなって、目黒まで行ってきた。途中、目黒川沿いを通ったけど、さすがにまだ桜の花はつぼみ状態。これが開花後だったら、川べりの遊歩道は混雑したんだろうなあ。

 目黒はその昔、仕事関係で訪れた。埼玉から都内へ、日帰り出張。確か、4月にも目黒川沿いを歩いた記憶がうっすらある。平日の昼間、桜を横目に歩きながら心の中で「あーあ、早く会社辞めたいなー」と、とぼとぼ歩いたな。

 帰りに四谷へ寄り、たい焼きの「わかば」に。さすがに今だと行列が短い。買ってすぐたい焼きを道端でほおばる人もいて、なんだか微笑ましかった。母校とは四ツ谷駅を挟んで反対側なので、学生時代はあまり来なかったけれど、なぜか卒業してからの方が、ここに来ている。

 

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