横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

ペット・ショップ・ボーイズ祭り その1

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 ケイト・ブッシュの記事(こちら)にも書いたが、今、1980年代の音楽を聴きまくっている。特に最近はペット・ショップ・ボーイズの曲ばっかり聴いているのだが、果てしない。すっかり沼にはまっている。というのも、「West End Girls」を初めて聴いた1986年から現在まで、このデュオはずっと活動を続けているので、代表曲がたくさんあるのだ。

 

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 あの頃、「West End Girls」のPVには、ロンドンへの憧れをかき立てられた。今見ても、1980年代のロンドンの街並みにグッとくる。ニールの着ているような黒いロングコートが着たいな~と思っていた。


 当時は日本で視聴することが叶わなかったライブや英国の音楽番組もアップされていて、PVとはまた見せ方が違うので、つい見てしまう。当時は気づかなかった発見もある。

 この「Love Comes Quickly」は音楽番組に出演した時の映像だが、当時のインタビューを読んだら「TVに出たら、笑わない、動き回らないと決めたんだ」とニール・テナントが発言していた。当時はステージ上でよく動き、観客とやり取りし、笑顔を見せて、というグループが多かったので、その逆を行ったらしい。

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 この笑顔も見せず、立ったまま歌うニール、ものすごくカッコ良くない? 
 こんなにハンサムだったなんて、当時10代の自分はまーーったく気づかなかった。
 YouTubeのコメント欄にも「全身黒づくめでゴージャス」とか書いてあるし。
 わかる人はわかっていたのね!

 PVなんかだと、スポーティーな格好のクリスと比べて、ニールはスーツにネクタイだったり、タキシード着ていたり、「英国紳士だな」と思ってはいたけれど。


 さて、別の音楽番組に出演した時の映像を見ていたら、ニールは古風な衣装をまとい、背後のスクリーンには何やら映画らしきものが流れている。どうやらその曲のPVのようだ。

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 気になってそのPVを見ると、イアン・マッケランがドラキュラを演じているではないか! そう、「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフや「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」でシャーロック・ホームズを演じた名優である。往年の吸血鬼映画「ノスフェラトゥ」にインスパイアされて制作されたとか。

 スロベニアのお城が舞台で、ニール・テナント演じる紳士が花嫁を伴って到着する。運転手はクリス・ロウが演じているが、腹の中で何を思っているか見えない。ニールは美しい花嫁にほほえみながら「Every time I see you ...」と歌っている。城のどこかでドラキュラが目を覚まし、花嫁を奪い去っていく。心変わりした花嫁に向けて「bitch」という言葉が聞こえる気がする(本当は「heart beats」らしいが)。

 ポップなディスコ調ラブソングなのに、YouTubeのコメント欄は大喜利状態。一つには、ニールが身長約180cmと長身なのに、花嫁役のモデルさんの方がさらに長身であること(ハイヒールのせいかと)、それと、後にニールとイアン・マッケランの二人ともゲイであることをカミングアウトしていることから、「あの花嫁は、女装した男に違いない!」(←ひどい)、「ニール・テナントとイアン・マッケランが女を奪い合うなんて!!」などなど。

「Love Comes Quickly」の時とは違い、このPVのニールはどこかかわいらしい。なぜだ。クリスの制服姿も良い。

 

 見逃した音楽動画を追う旅、まだまだ続きます。

 

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