横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

1980s オーストリア:ファルコ

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 1980年代の洋楽シーンは、英米の音楽ばかりじゃなかった。
 英国を離れ、大陸に渡ってみよう。

 

 ということで、まずオーストリアのファルコを。あらかじめ断っておくけれど、濃厚でパンチのある声&音楽です。体調の良い時に視聴するのをお勧めします(マジで)。

 

 彼のドイツ語と英語を織り交ぜたラップというのが当時とにかく新鮮だった。ちょうど天才モーツアルトを描いた映画「アマデウス」が公開されたのもあり、英語圏でも爆発的にヒットした。そのヒット曲「ロック・ミー・アマデウス」(1985年)が有名だけれど、そこはあえて外そう。

「Vienna Calling」(1985年)

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「Sound of Musik」(1986年)

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 題名が英語の「music」ではなくドイツ語の「Musik」なのに注目。こういう風に英語とドイツ語をミックスしてた。
 これはPVではなく、ライブの方。PVでは冒頭、ファルコがルートヴィヒ2世に扮しており、ノイシュバンシュタイン城も映る。そっちを紹介しても良かったが、情報量が多すぎて……。興味のある方は検索してみてください。


 ラップといえば、米国が本場かつ黒人ミュージシャンが歌うものというイメージがあるが、1980年代は、白人ミュージシャンによるラップが色々と発表されていた。ペット・ショップ・ボーイズはきれいなクイーンズ・イングリッシュでやってのけた。

 ラップつながりで当初、マレー・ヘッド(Murray Head)の「One Night in Bangkok」と一緒に紹介しようとしたけれど、ファルコの歌声が濃厚すぎたのでやめた。


 2005年に旅行でウィーンを訪れたけれど、ふと「ファルコって今どうしてるんだろ」と思い、CDを買い求め、消息を調べてみたら、なんと1998年に若くして亡くなっていた。オーストリア航空の機内誌には偶然ファルコの記事も掲載されていた。友人(芸能人ではない)が生前のファルコとの交流を語るという内容だった。

 

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