横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

阿部勇樹 引退試合/フランクフルトと親善試合

 当日は仕事が入っていたため、テレ玉を録画して後から視聴。
 浦和レッズOBvsジェフ千葉(市原)OBと元日本代表という顔合わせ。客席には、黄色いレプリカを着たジェフサポの姿が。

 
 解説者曰く「引退試合は主役に花を持たせるため、グダグダになりがち」だけど、この日は違った。終始笑いっぱなし。
 例えば、闘莉王が野人・岡野に「走れ!」と指示し、岡野がダーッと駆け上がるのにパスが来ない!とか。ゴール後に2人で踊るとか。出番のない後半は、なぜかアップを始めてどつき合い、審判にカードを出されるとか。元日本代表組には播戸というエンターテイナーがいて、負けじと笑わせにくる。
 後半、浦和レッズの方はよそに移籍した現役選手に交代し、当たり前だけど動きがキレキレ。梅崎(現・大分)や武藤(現・柏)、興梠(現・札幌だけど来年戻ってくる)がゴールすると、埼スタがわっと盛り上がる。
 思わず「皆、浦和に戻ってきて~!」と声が出る。
 ほんと、もしこの人たちが今シーズンも浦和にいたら……と思わずにいられない。

 アディショナルタイムが阿部ちゃんの背番号にちなんで「22分」と表示される(皆、倒れるがね)。背番号は各自で好きなものを着けていいので、同じ背番号の人が複数。混乱しそう。

 終盤、阿部ちゃんの息子さん2人が入る。たぶん、サポも初めは見守るような目で見ていたと思うが、その高い技術に、途中から「え、今ジュニアユースなの? このまま上に上がってこないかな」というスカウト目線で見ていたのではなかろうか。特に、上の息子さん(中3)は高校生でプロデビューした頃の阿部ちゃんにそっくりだった。ユースに上がると、お父さん(阿部ちゃん)の指導を受けることになるけど、入ってくれるかな。将来が楽しみだ。

 出場者にインタビューも。最近引退を発表した中村俊輔は、ピッチ上で阿部ちゃんとFKを譲り合ってた。もちろん、阿部ちゃんが蹴るんだけど。田中達也(現・新潟のコーチ)は怪我で出場できない。高校生になった娘さんが、新潟の女子チームでプレーしているとか。時の流れを痛感した。

 テレ玉なので、最後のイベントもきっちり放送してくれる。DAZNでも放送されたらしい。場内一周の後で阿部ちゃんはゴール裏のど真ん中へ。選手たちもゴール前に集まり、「We are Diamonds」で締めくくる。

 

 W杯効果だろうか、ローカルな「さいたまシティーカップ」がなんと、テレ東で放送された。過去にはマンチェスター・ユナイテッドバイエルン・ミュンヘンと対戦したが、今回は浦和レッズOB長谷部誠が所属する、アイントラハト・フランクフルトと対戦。埼スタへの凱旋だ。 

 夏のパリ・サンジェルマン親善試合の悪夢がよぎるが、あの時とは状況が違う。うちはほぼベストメンバーで、相手はW杯などで主力を欠いているのだ。ドイツで日曜日に試合を終えて、日本に来てあまり時間がないとか。誰が日程を組んだのかは知らないが、なかなかひどい。「PSGにコテンパンにされた相手だから、これでも勝てるべ」みたいに思われたのか? 

 数週間前にチャンピオンズリーグで負傷したため、長谷部はベンチスタート。なかなかピッチに入らないので、観客はやきもきする。でも、無理させたくないし。ようやく後半途中から入り、埼スタ歓喜に湧く。

 浦和にいた頃、長谷部はボランチだったと思う。でもCLではハリー・ケイン相手に鉄壁の守備をし、一点も取らせなかったとニュースで見て「あれ、今はDFなの?」。ドイツに行ってから、そうなったみたい。
 
 レッズは「若手選手たちが物おじせずにプレーしてる」と解説で言ってたが、おそらくACLの経験で自信をつけたのだと思う。もうJリーグは終わってるし、のびのびとやっている感じ。
 でも内心「こんな鮮やかなプレーができるなら、シーズン中にやってくれい!」と思ったのも事実。普段とメンバーが違うから? プレッシャーがないから? これを年間通してやっていたら、来年への期待が見えていたら、少なくとも監督解任にはならなかったと思うのだ。あの勝ちきれない閉塞感に「またか…」と思ったのも事実。フロントは早めに手を打ったという印象。

 スコアは4-2で浦和レッズの勝利。

 こうやって、浦和出身の選手が来てくれると良いな。原口元気とか、いつか来てくれるかな。

 以上、秋の浦和サッカー祭りでした!