横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

翔んで埼玉

「翔んで埼玉」
監督: 武内英樹
出演:二階堂ふみGACKTほか

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<あらすじ>
 かつて、埼玉県民は東京都民から迫害されており、東京へ入るには通行手形が必要だった。都内にある高校・白鵬堂学院では、都知事の息子である壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が生徒会長に就任していた。ある日、アメリカ留学から帰国した麻実麗(GACKT)が学院に転入してきた。都会的な雰囲気を漂わせる彼の正体は、通行手形を廃止するべく活動する、埼玉解放戦線のメンバーだった――。

 

 原作は、『パタリロ!』シリーズで知られる魔夜峰央の同名漫画。作者が埼玉県に住んでいた頃に描かれた。確か、マツコ・デラックス(千葉出身)の「月曜から夜ふかし」(ちょいちょい埼玉ディスりをする)で取り上げられて、人気が再燃したのだと思う。

 でもまさか、これが実写映画になるなんて……!

 

 週末、埼玉県内の劇場で鑑賞したら、埼玉県民で満員だった。
 皆、自虐的だなぁ(笑)

 

 え、私?
 埼玉生まれの埼玉育ちですよ!(きっぱり)

 そんなわけで、他県への配慮一切なしの、埼玉目線で語る。

 

 漫画の世界を俳優陣が大真面目に演じていて、バカバカしくて面白かった。この映画を見ても埼玉県民は怒りはしないけれど、はたして千葉県民(特に野田、九十九里あたり)、茨城県民(特に常磐線沿線)、グンマーの反応はどうかな。


 GACKTはミュージシャンだけど、俳優陣の中でひけを取らない。麗の役にハマっているし、演技も上手だなあと思っていたが、そういえば大河ドラマ風林火山」で上杉謙信役を演じていたっけ。二階堂ふみちゃん演じる百美くんをお姫様だっこする場面で、女子生徒の黄色い声が上がり、「あ、学内でもBL分かっている人は分かっているのね!」。

 埼玉解放戦線のリーダー・埼玉デューク役の俳優さんが誰だか分からなくて、「この世代の綺麗なおじ様俳優って……?」と謎だったが、エンドロールを見てやっと京本政樹さんだと判明。

 それに対して、千葉解放戦線の先代リーダーにして阿久津(伊勢谷友介)の父親が、ジャガーさん。埼玉&千葉なのに……濃ゆい、濃すぎるよ!

 埼玉県民である3年Z組の生徒として、加藤諒さんが出演。加藤諒さんといえば、舞台版「パタリロ!」でパタリロを演じていた方(記事はこちら)。同じ作者の漫画なのに、こっちでは殿下が庶民に身をやつして……。

 池袋が「埼玉の植民地」と言われているが、池袋あたりでスカウトされる芸能人には、けっこう埼玉県民もいるのだ。藤原竜也秩父出身)とかな。東京に近いぶん、埼玉出身芸能人も多い。劇中、流山で埼玉vs千葉の戦いが始まる前に、巨大なゲート旗で両県の出身芸能人を自慢合戦していたが、本気出せばもっと大物がいるのでは……と思ってしまった。千葉なんて、マツコ・デラックスを出せばいいのに。


 埼玉あるあるな場面。
・「十万石まんじゅう」って、テレ玉以外にもNACK5でもCM流してたっけ?
・「山田うどん」の映り込みに吹いた。
・踏み絵に使われた、しらこばとの描かれた草加せんべい、どこで買えるのかな。かわいいから買いたいんだが。草加市はこの機会に便乗して、全力で販売するべし。
・浦和在住の婚約者の車には、浦和レッズのステッカーが。「世界埼玉化計画」は、浦和レッズを活かしたら良いと思う(いや、マジで)。

・最後の埼玉開放戦線の集会は、「地下神殿」とも仇名される首都圏外郭放水路で撮影されたのかな。

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 竹中直人演じる神奈川県知事が、隠れた悪役として登場。湘南海岸に埼玉県民が集まるのがそんなに嫌だとな? ほうほう。

 あのなあ。
 オレ、埼玉県民だけど、神奈川の海で泳いだこと、いっぺんもねえぞ!
 千葉の海ならあるぞ!
 埼玉北部の県民だと、そのまま東に向かって茨城の海を目指すか、関越に乗って新潟の海に向かうんだぞ。
 湘南の海なんか行かねーべ!!
 (ぜえぜえ)

 それに、埼玉には海はなくとも
 水上公園のプールがあるんだぞー!!
 (はあはあ)


 埼玉には何もないと言われるが、本当は色々といい場所あるんだよ。
 でも、他県の人には教えないよ( ̄▽ ̄)
 埼玉県民の秘密の花園だもの。
 混雑したら困るがね。
 教えないよ~。

  

 以上、埼玉県民の感想にならない感想でした。

   

このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉 (Konomanga ga Sugoi!COMICS)