J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズは、第一作が英国で1997年に刊行された。映画化された時に、親戚の子供たちを映画館に連れて行ったり、テレビで放送されたものを見たぐらい。原作もしっかり読んだわけではない。つまり「ハリポタ」ファンではないのだが、「魔法の歴史」が面白そうなので見に行ってみた。
大英図書館が2017年に企画した「Harry Potter : A History of Magic」展の国際巡回展だという。
会場の東京ステーションギャラリーは、改修工事後に初めて行く。客層は、「ハリポタ」と共に育ってきた、うちの親戚の子供たちぐらいの若者ばかり! かつて子供たちを映画館に連れて行ったお父さんお母さん世代の人が見当たらない……! あれまー、アタシが最年長の客ですかねぇ。
魔法薬学、錬金術、薬草、呪文、天文、占い、防衛術などなど、観客はボグワーツ魔法魔術学校のカリキュラムを学んでいるかのよう。「修道士カドフェル」の愛読者には薬草の説明は興味深い。錬金術師ニコラ・フラメルの名前は、フランスの中世史や文学になじみのある者には「あ、どこかで聞いたことあるなあ」。登場人物の名前(シリウスなど)が天体から来ているというのも面白い。
主催が大英図書館だけあって、貴重な中世の写本が惜しげもなく展示されている。それも何冊も。時代から、複製本ではなく、羊皮紙に書かれた本物では?というものも。会場がもっと空いていたら、ガラスケースに張りついて写本をずっと眺めていたかった。通常の美術展より入場料が高いのも納得。
作家の直筆原稿、挿絵の原画、絵画、物語のヒントになった資料など、多数展示されていた。
東京ステーションギャラリーといえば、古いレンガの壁を活かしている。改修後もレンガ壁は健在で、場内を移動する際に通るらせん階段など、佇まいが美しかった。歩きながらスマホでササっと撮るのがせいぜいだったが、建築ブログ用に、もっとちゃんと撮影すれば良かった。