「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」Star Wars: The Last Jedi
監督:ライアン・ジョンソン
出演:デイジー・リドリー、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー
2017年
レイを主人公としたシリーズの第2作。前作「フォースの覚醒」の記事はこちら。
伝説のジェダイ、ルークの居場所を見つけたレジスタンスは、レイをルークの隠居地に送り出す。チューバッカの操るミレニアム・ファルコン号には、R2-D2も同乗。着いた先は、絶海の孤島。
ルークを見つけたレイは、彼にライトセーバーを差し出すが、ルークは投げ捨ててしまう。
<以下、ちょびっとネタバレ>
さっくり感想を言うと
カイロ・レンお坊ちゃまの中二病、健在です。
チャンバラシーンが今回は多目。
ポーグはあんまり出てこないよ。
てっきり、「エピソード5」のように厳しい修行の日々が待っているはず……と思っていた観客(ワタシも含めて)は、拍子抜けするだろう。
だが、チューバッカやR2-D2との再会で、ルークも考えを変える。ハン・ソロのいないミレニアム・ファルコン号に乗り込んだルークの姿は、旧作を見ていた人間には堪らない。R2-D2が映し出す映像は、あのなつかしい、この物語の始まりとも言えるレイア姫(将軍ではない)がオビ=ワン・ケノービに助けを求めるもの。
R2-D2、やるのう。策士じゃのう(ロボットだけど)。
かくして、チューバッカとR2-D2のおかげでレイの修行が始まるのだが、ルークにとっては心の古傷をえぐるような体験となる。レイの能力の高さが、甥のベン・ソロことカイロ・レンを思い出させるのだ。ルークは、かつてジェダイ候補者らを寺院に集めて、修行させた時の出来事をレイに話し始める。
ジェダイって本当は結婚禁止だから、血縁の後継者というものがいないはずなのだ。ルークの父アナキン・スカイウォーカーが唯一の例外。だから、各地から能力のある子供を見つけてきて、修行させるのだ(女人禁制の宗教のように)。
でも、ルークもスカイウォーカー一族の血を引く甥が、最初はかわいくてしょうがなかっただろう。後継者としての期待も高かったはず。両親のレイアとハン・ソロとは違う形の愛情と期待が、ベンには重圧だった。
最後の場面、ハックス将軍の心のうちを代弁してみる。
「あのー、家族喧嘩はよそでやってもらえません!?」
前作が親子喧嘩だとしたら、本作は師弟対決でもあり、おじさんと甥の家族喧嘩。赤の他人(ハックス将軍)にはそう見えるに違いない。
悪役が……なんか弱くない? エピソード4~6は、ダースベイダーとか皇帝とか、鬼強かった覚えがあるんだけど。小物感がぬぐえない。怖くないのだ。あんなあっさり……。
レイア将軍とホルド提督(「ツイン・ピークス」のローラ・ダーン)が、ポー・ダメロンのことを「(上官の命令を無視して)まったくしょうがない子ねぇ」と、母のような姉のような目で見守るのがほほえましい。出番は短いけど、ホルド提督は印象に残るキャラクターだった。
ローズというアジア系女性(演じるのはベトナム系女優)が活躍する。姉のパイロット、ペイジはヘルメットごしでも美人だったが、妹のローズは、いくら「普通の人が活躍する話」であっても、もう少し華のある女優がよかったんじゃ……。今思うと「エレメンタリー」のルーシー・リュー姐さんて、キレイな方だったよね。
島で、鶏の丸焼きのようなものを食べようとするチューバッカに、島の鳥ポーグたちがうるうるの瞳で「食べないで~」と訴えかける場面。うっせぇやい、関係ないやい、と言いながらも、丸焼きが食べにくくなってしまったチューバッカがツボ。
「スター・ウォーズ」シリーズでは過去にも、イウォークのようなかわいい生き物が登場したけど、今回はポーグなのね。映画会社はディズニーだから、今後グッズが発売されるのかな?
ちょうど地上波で「エピソード7」を放送したので、最新作を見る前におさらいできた。レイやフィンの「(ジェダイやフォースなんて)神話だと思ってた」という台詞に対し、ハン・ソロが若者たちに「俺もこの目で見るまでは信じられなかった」と言っていた。
でも、ハン・ソロもある意味、新シリーズの子供や若者にとっては神話の世界の人物なんだよな。
本作で、フィンとローズを助けてくれた動物使いの少年が、人形遊びで「ルーク・スカイウォーカーが……」とお話を語っていた。その物語には、レイア姫とハン・ソロ船長も出てくるはずなのだ。
本作「エピソード8」の撮影終了後、レイア役のキャリー・フィッシャーが亡くなった。「エピソード9」はどうするんだろう。CGなどでカバーするのかな。
もうあの3人が揃わないのが寂しい。 合掌。