最近読んだ本の感想をまとめて。
先に読んだ家人が「ぶふっ」と吹いていたので、「電車で読んだら危ない?」と確認した。んで、外出時に電車の中で読んだのだが、面白かったよ。他の乗客にけげんな目で見られない程度に、笑いをかみしめてな。
「オチビサン」などの漫画家・安野モヨコさんのコミックエッセイ。タイトルの監督とは、ご主人である映画監督・庵野秀明さんのこと。
プロフィールを確認すると、安野さんの方が10歳くらい若いから、アニメや特撮の話題、よくついていけるなー。相当DVDで勉強したんじゃないのかなー。だって、年齢差があると、同じアニメでも「何歳の時にそれを見たか?」で、受ける印象や記憶が全く違うもん。ウチも日々、ジェネレーションギャップを実感しているよ。
非常に共感を覚えたのは、「第拾伍話」。旦那が鉄道オタで、奥さんが興味がない場合、大体こうなるもんな! ウチも……(以下略)。
「オチビサン」の読者としては、キャラクターのモデルが出ているのが嬉しい。たとえば猫のジャックは、飼い猫ジャックがモデルだし。昔飼っていたというトイプードルは、もしや、パンくいとナゼニのモデル!?
ところで、監督(男性)が”乙女”で、安野さん(女性)が”漢”と出た占い、私もやってみたいんですけど。根拠はないけど、きっと、たぶん、もしかして、ウチも……(以下略)。
・「黄色いマンション 黒い猫」小泉今日子 スイッチ・パブリッシング
雑誌「SWITCH」の連載を単行本化したもの。故郷は別として、主に原宿という場所をテーマにして書いている。さすがキョンキョン、10代の若さで原宿に住んでいたなんて!
「懐古と感謝」というエッセイでは、1980年代のアイドル時代のことを振り返っている。原宿で、彼女が一人で街を歩いていたとき、親切にしてくれた街の人々。「大丈夫?」と気にかけてくれたり、外国人にナンパされて困った時に、見知らぬ人が助けてくれたり。
今だったら、(当時のキョンキョンに匹敵するぐらいの)有名人が一人で歩いていて、何者なのか周りに分かってしまったら、大変な騒ぎになるだろう。握手や写真撮影くらいならかわいいもので、大パニックになるはず。
大都会東京、それも下町ではなくトレンディな原宿での人情みたいなものが垣間見られて、どこかほっとする。でも「懐古」と言っているので、今ではなかなかないことなのだろう。
若くして成功した人なのに、キョンキョンて地に足が着いている人だなぁと思っていた。若い頃の彼女を何気なく支えてくれたのが、こういう街の人たちだったのだ。
・「宇宙探偵マグナス・リドルフ」ジャック・ヴァンス著
宇宙探偵マグナス・リドルフ (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)
- 作者: ジャックヴァンス,Jack Vance,浅倉久志,酒井昭伸
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2016/06/24
- メディア: 単行本
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ミステリは読むけど、SFは若い頃に少々たしなんだくらいだ(←若い女性が「お酒はたしなむ程度ですの」と猫かぶるのとは違うよ。ガチだよ!)。
それなのになんで手に取ったかというと、こちらのレビューを読んだから。
第35回 天翔ける痛快美老人―ヴァンス『宇宙探偵マグナス・リドルフ』(執筆者・♪akira) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート
いつも(勝手に)お世話になっております。
「宇宙探偵」とあるので勝手に探偵ものだと思っていたが、原文は「トラブルシューター」とな。とはいえ、発表された時代(1940~1950年代)の古典的な探偵小説のお約束を守っていてツボ。
たとえば、引退して悠々自適の暮らしをしているはずが、投資で損をして、金に困って仕事を引き受けるとか。ひと昔前のアメリカの探偵小説なんかで、王道の設定じゃない?
一見、依頼人に無理難題を押し付けられたかのように見えて、でも、悪者を出し抜く、コンゲームに通じる痛快さもあって、読んだ後はスカッとする。
ミステリはわりと読むけど、SFはあんまり読まないという女子にもお勧め。短編形式なのでシャーロック・ホームズとか、エドワード・D・ホックの短編集みたいに、さくさく読める。