「名探偵ポワロ」Agatha Chrisitie's Poirot
出演:デヴィッド・スーシェ、ヒュー・フレイザー、フィリップ・ジャクソン、ポーリーン・モラン
春先から動画配信サイト「Gyao!」で、「シャーロック・ホームズの冒険」「刑事フォイル」といった英国のミステリドラマを見てきて、現在は「名探偵ポワロ」を見ている。ええ、すっかり「沼」にはまっていますよ……!
NHKで「名探偵ポワロ」の放送が始まったのは、1990年。つまり、「シャーロック・ホームズの冒険」を見ていた中学生が、大学生になったあたりで「ポワロ」の放送が始まったという。ちょっとしたミステリオタク製造機ですな。NHKは「ミス・マープル」や「ジェシカおばさんの事件簿」なんかも放送してたし。
とはいえ、Wikipediaで放送日を確認すると、最初の頃はレギュラー放送だったので、見た覚えがあるのだけれど、後の方は不規則になってしまい、追いかけきれなくなっている。しかも初回放送から30年ほど経過しているので、見たはずの作品も記憶がない……。原作も遠い昔に読んだものの、作品数の多さが災いして、さすがにこちらもトリックや犯人を覚えていない。初めて見る作品も含めて、とにかく新鮮な気持ちで見ている。でも時々記憶がよみがえり、途中で「あ、これ犯人分かっちゃった!トリック分かっちゃった!」ということもある。うひゃあ。
「ホームズ」の40数作と比べ(それでもかなり善戦したと思う。映像化に向かない作品もあったし)、「ポワロ」は70作すべてをドラマ化しているので、嬉しい悲鳴を上げつつ、せっせと毎晩視聴している。
原作では高慢でプライドの高いキャラクターのポワロも、ドラマ版では、自分の名前が初対面の人にも知られていると喜ぶ、愛すべきキャラクターとして描かれている。協力者のヘイスティングス、秘書のミス・レモン、スコットランド・ヤードのジャップ警部とのやり取りもユーモラスで、チーム感があり、雰囲気が良い。
このドラマの世界が好きすぎて、後から原作を読み返すと「あれ?原作はこんな風だっけ?」と驚きそう。
ポワロ以外のレギュラー3人(あと、ミステリ作家のオリバー夫人とか)は、原作だとそんなに目立ってなかったような気がするのだが、ドラマでは出番も多い。ヘイスティングスは愛車を飛ばし(運転手役だけじゃないけど)、ミス・レモンは秘書としてだけでなく、女性の方が好都合という場面で捜査を手伝い、ジャップ警部とはプライベートも仲が良い。
ミス・レモンのファッション、素敵~!
NHKは吹替版(ポワロ役の熊倉さんの声がチャーミングでぴったり)だったけど、今回は字幕版で、英語で見るとやはり新鮮。ポワロの台詞がかなりフランス語混じりで、周囲の人は皆、フランス語が分かる人たちばかりなのか!? このシリーズはフランスでも放送されたけど、あの国はテレビだと間違いなく吹替だから、ポワロのフランス語はベルギー訛りが入っていたのかな。一度、フランス語版を見てみたい。
デヴィッド・スーシェやヒュー・フレイザー(ヘイスティングス役)、フィリップ・ジャクソン(ジャップ警部役)は、他の映画やドラマで見たこともあり、特に「ポワロじゃない」デヴィッド・スーシェは髭がなかったのと声がまるで違ったので、「別人だ!」と驚いた記憶がある。むしろ「こっちの方が素に近いのかな」と。
シリーズ前半の、幸せそうな笑顔でチョコレートをつまむキュートなポワロを見ていると、最後に「カーテン」を見るのが……。最後の作品だからという意味ではなく、ああいうエンディングを迎えるのかあと思うと複雑。
でも、最後まで見るよ!
アガサ・クリスティ―はとにかく作品数が多くて、読み返すのは「老後の楽しみにとっておくか」と思っていたけど、老眼が進むし、長編だと記憶が抜け落ちて、途中で誰が誰だか分からなくなりそうな気がするので、もっと早いうちに読み返すことに決めたよ。
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