横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

石岡瑛子展@東京都現代美術館

www.mot-art-museum.jp

otekomachi.yomiuri.co.jp

 アートディレクター、デザイナーとして活躍した石岡瑛子さんの展覧会に行ってきた。1時間~1時間30分ぐらい、滞在したかな。

 

 ハリウッドで映画の衣装デザイナーとして活躍し、アカデミー賞を受賞したのは知っていたけれど、日本にいた頃、資生堂で有名なポスターを作っていたのを初めて知った。あの「盗まれた」ことで話題になった前田美波里さんの水着ポスターにも関わっていたとは!

 コッポラ監督の映画「ドラキュラ」は、衣装がいくつも展示されていた。ゲイリー・オールドマン好きなので、「こっ、この衣装、ゲイリー・オールドマンが実際に着ていたのねっ!」とガン見したよ。女優陣の着用したドレスもあり、細かい刺繍に見入ってしまった。


 一番のお目当ては、ターセム・シン監督の映画「落下の王国」の衣装なのだが、デッサン画多数、実物は青盗賊の衣装一点のみで、ちょっと寂しかった。その代わり、壁面が大スクリーンになっていて、映画を上映していた。もちろん、ロイがアレクサンドリアに聞かせる物語の世界。衣装がとにかく色鮮やかで、無国籍風で素敵なのだ。姫の着けている仮面が日本の扇子っぽいところが好き。隠している顔を見せる時に、扇子をさーっと開くのが美しい。

 先日、テレビで放送されたので改めて見たけれど、CGなしであの空の色や、あのものすごい風景を撮ったのか!と感嘆してしまった。この映画が撮影された頃って、CGの技術が以前よりもどんどん向上してきて、そんな時代にあえてわざわざ世界各地へロケに行ったという。そして映画の最後には、スタントマンであるロイの姿に続き、20世紀初頭のCGなしのアクション場面が続き、あたかも100年前の映画人に敬意を表しているようだった。

 ターセム・シン監督の「ザ・セル」「白雪姫と鏡の女王」の衣装も多数、展示されていた。


 ジャズの帝王、マイルス・デイヴィスのアルバムジャケット写真や、グレース・ジョーンズ(モデル・女優・歌手)のライブ衣装も面白かった。ライブ映像が流れていたけど、フラフープ回しながら歌っていたので「すごい!」と驚いてしまった。

 オペラ「ニーベルングの指環」の舞台衣装は、度肝を抜かれた。こんな衣装で出演者が舞台に出てきたら、絶対に目が釘付けになる。さぞ現地で話題になったのではなかろうか。その昔、ロシアのリュビーモフ演出の「ハムレット」東京公演で、カーテンとか俳優たちの着てたセーターとか、日本で話題になったけど。


 前回、この現代美術館に来たのは、フランスの映画監督ミシェル・ゴンドリー展だったなあ。映画関連の展示だけでなく、ミュージックビデオの上映もあったっけ。ちょうど映画「ムード・インディゴ うたかたの日々」公開の頃で、映画の世界が再現されていて実に楽しい展示だった。ターセム・シンもそうだけど、ミュージックビデオ畑出身の映画監督、珍しくないのね。

 

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