横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

ドラマ ミス・マープル

ミス・マープルAgatha Christie's Miss Marple
主演:ジョーン・ヒクソン

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 こんにちは。
 私、ミセス・まーぶる。
 あの有名な「ミス・マープル」とは無関係ですよ。

 

  ようやくドラマ「名探偵ポワロ」(記事はこちら)の動画を見終わって、次はアガサ・クリスティーつながりで「ミス・マープル」のドラマを見ようとしたの。Wikipedia(英語版)を確認したら、英国と日本では放映順序が違うのね。今回は英国での放映順序に合わせて、「書斎の死体」「動く指」「予告殺人」の順にDVDを借りたの。

en.wikipedia.org

 その矢先、仕事が入ったので、DVD鑑賞は後回しよ。
 え? 仕事は昼間に片付けて、夜にDVD見たらいいじゃないって?
 あーた、老眼を舐めちゃいけないわ。
 一日中、小さな半角文字と格闘したら、そんな余力残ってないの!
 今回の仕事は手ごわかったわ……。

 

 ジョーン・ヒクソン版は、10数年前にスカパーのミステリーチャンネルで見たんだけど、あの時はどうしたかしら。仕事から帰ってきて夜、録画を一気に見ちゃったのかしら。あの頃は老眼だの眼精疲労だの無縁だったから(遠い目)。


 今改めてドラマを見ると、田舎の村って怖いわね!
 ううん、殺人事件のことじゃないの。
 住民が怖いの!
 私も田舎の出身だけど、うちの地元よりずっともっと怖いわ!
 新しい住人が来ると噂になるし
 都会から来た若い女性が老人と話すだけで「色目使ってる」って言われるの!
 犯人もヤバいけど、この人たちの方が普通にヤバいわ!

 

 「動く指」は、住民の多くに中傷の手紙が届くんだけど、私は第一次世界大戦中にフランスのチュールという街で実際に起きた事件を思い出したわ。やっぱり住民の大半に中傷の手紙が届いたの。中には手紙を受け取って、死んでしまった人もいたそうよ。そこで警察が捜査をしたの。「動く指」の方はタイプライターと、古い本からの切り抜き文字だけど、チュールの方は直筆なの。エドモン・ロカールが容疑者の筆跡鑑定をやって、犯人は見つかったんだけどね。

 アガサ・クリスティ―は、もしかしたらチュールの事件からヒントを得たのかしら。なんだか気になるわ。「動く指」では、なぜか最初から犯人を未婚女性と決めつけていたけど、チュールの犯人も、未婚女性だったのよ。

 こんな記事があったから、メモとして貼っておくわ。20世紀初頭の「Poison Pen Letter」絡みの事件。フランスのチュールの名前もあるわ。アガサ・クリスティ―の「動く指」の作品名も。

crimereads.com

 「書斎の死体」では、元警視総監のサー・ヘンリーはミス・マープルのことを知っていて、彼女の捜査への協力にも好意的だったけれど、スラック警部の苦虫を嚙み潰したような顔を見ると、シャーロック・ホームズ物語のレストレード警部も、ホームズと知り合った最初の頃、つまり『緋色の研究』より前の頃は、こんな感じだったのかしら?と思ってしまったわ。この先、スラック警部の態度がどうなるか、見ものね~。

 「予告殺人」にはクラドック警部役で、グラナダ版ホームズの「美しき自転車乗り」でカラザース役だった俳優さんが出演していたわね。この後見る予定の「ポケットにライ麦を」には、BBCラジオドラマでホームズを演じたクライブ・メリスンが出ているそうよ。

 「名探偵ポワロ」の時も、「シャーロック・ホームズの冒険」や「刑事フォイル」の俳優さんが何人も出ていたっけ。同じイギリスだから当然かもしれないけど、ベテラン俳優の若い頃とか見られたり、その逆もあって、なかなか面白いのよね~。


 余談だけど、将来はミス・マープルのような老婦人を目指そうかしら。
 記憶力抜群で、頭が切れて、謎解きもお手のもの。
 編み物しながら……って、私、編み物できなかったわ!
 かぎ針編みならできるけど、棒編みはダメなの。
 そうね、まずは編み物から始めようかしら(←違)

 

【追記】
 英国で放送された順に見て、ようやく最後の「鏡は横にひび割れて」を見終えたわ。
 クラドック警部再登場なんだけど、いつからミス・マープルの甥になったの!?
 前回はそんなこと全然言ってなかったわよ!?

 それと、スラック警部が警視に出世していて、あらま~。
 そして最後にはミス・マープルに「ありがとう」ですって、あらま~。
 見事に手懐けたわね!
 ていうか、警視まで出世できたのも、ひとえにミス・マープルのおかげですもの。
 感謝しなきゃ罰が当たるわね。