横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

グラナダ版ホームズを見る

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 このところ毎晩、夕飯を済ませるとそそくさとパソコンの前に座るのが日課となっている。なぜなら現在、動画配信サイト「GYAO!」で、グラナダTVの「シャーロック・ホームズの冒険」を無料配信中なのだ。英語音声、日本語字幕付き、50分のフルバージョン。

 

 最初にグラナダ版ホームズを見たのは1980年代。NHKで放送されたのは、本来のものより短くカットされた45分版で、台詞は吹替。ホームズ役の露口茂の声がぴったりだった。

 その次に見たのはDVDで、50分のフルバージョン。ただし、NHKで吹替を担当した俳優さんが既に引退していたり、お亡くなりになっていたりで、追加部分は別の人が声を当てていた。同じ人物の声が急に変わるし、初めて見た場面には「本当はこの場面、こうなっていたのかー!」と驚きながらの鑑賞で、いまいち集中できなかった記憶がある。

 今回の動画は、「初めて見る」場面がない状態で、ストーリーも演出もすべて分かっているうえで鑑賞するので、なんだか気持ちがラク。全体を俯瞰して見ることができるし、新たな発見もある。

 

 ところどころ、脚本が原作の穴を埋めてあるのも素晴らしい。「まだらの紐」で、どうやって義父が娘のヘレンの訪問先を知ったのか、とか。

 英語で視聴して気づいたが、階級や職業で語彙やアクセントが違う! アメリカ人が出てくると発音が違う!(NYが舞台の「エレメンタリー」を見ていて、たまに英国人が出てきた時のイギリス英語が新鮮なのと同じ)そういう部分がいちいち面白い。

 第1話の「ボヘミアの醜聞」から順番に見ているが、2人のワトソン役者がどちらも良い! 若い頃はエドワード・ハードウィックが好きだったけど、前半のデヴィッド・バークのワトソンは、事件のたびに「さあ行くぞ!」と拳銃を持って飛び出す姿が若い。後半のエドワード・ハードウィックは数年の別離(それもホームズが死んだことになっていた)を経ていることもあり、やや大人になった印象。「空き家の怪事件」でホームズに毛布をかけ直すところが「お母さんみたい」と思ってしまった。2人のワトソン、どっちも好きです。

 何回も見ているのに、全然飽きないわ~!