「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」Star Wars: The Rise of Skywalker
監督：J.J.エイブラムス
出演：デイジー・リドリー、アダム・ドライバー
2019年
（Newsweekより）
レイを主人公とした3部作、そして1977年に始まったシリーズがこれで完結。
エピソード（EP）8で迷走したのがEP9で大修繕され、着地した。そんな印象。
日本では12/20公開で、その晩に旧作のEP8がテレビ放映されたが、いまいち盛り上がらないまま週末に映画館へEP9を見に行った人も少なくないと思う。
【ちょびっとネタバレ】
今作で、レイの出自の謎が明らかになるのだが、本来はEP8で明かすべきだったのではないか。カイロ・レン同様にレイも出自に悩んだだろうし、自分は何者なのか葛藤しただろう。そんな心の迷いにつけこみ、カイロ・レンが「導いてやる」と、ダークサイドに手招きする。その方がもっと物語に奥行きが出ただろうに。EP9だと、レイが知ってからラストまでがあっという間すぎた。
かつてジェダイは、見込みのありそうな子供たちを連れてきて養成してきたから、レイも「何者でもない」設定でも良かったはずだが、たいして訓練もしていないのに力がありすぎるから不自然ということになったのだろうか。
それと、スター・ウォーズには恋愛要素はいらない。例外は、アナキンとパドメとか、レイア姫とハン・ソロとか、そういう次元の恋人たちだけ。
やっぱりフォースは濫用しちゃいけない。EP8で、フィンたちを助けてくれた動物使いの少年が、箒を引き寄せたのは一体何だったんだろう？（目をごしごし）
EP8が不評だったのは、EP1～7まで維持してきた世界観を壊したせいだろう。例えばEP8で「スノーク、弱すぎ！」と思った人も多いだろうが、あの混乱は、誰がどのくらい強いのか、大前提が狂ったせい。今回は鬼強いラスボスが出てきたので満足。RPGと同じで、最初から最後まで価値観は統一した方がいい。
正直、EP8をJ.J.エイブラムス監督に撮り直してもらいたい気持ち。
レイア役のキャリー・フィッシャーが亡くなって、EP9の撮影はどうするんだろうと思っていたら、撮影済映像のストックがあったみたい。要所要所で本人が演じていて、安堵した。脚本の手直しとか、現場は大変だっただろうけども。もし存命だったら、もっとレイアが活躍しただろうな。
ランド・カルリジアン（ビリー・ディー・ウィリアムズ）が登場し、チューバッカと再会する場面がとても嬉しかった。「これだから年寄りは……」と若い観客に言われそうだが、俳優自身や役の上で亡くなるキャラがいるので、これぐらいは嬉しがらせておくれ。
旧作はポー・ダメロンの活躍が少ない、ポーとフィンのバディをもっと見たかった。
そんな不満を持つ女子の皆さ～ん！
今回は、しっかり見られますよ♡
かつてルークとハン・ソロがそうだったように（あとチューバッカも一緒に）、男子たちがわちゃちゃして船に乗り込むの（この表現で合ってるのか分からないけど）なんか好きだわ。流砂に飲み込まれるところ、たぶん、フィンは告ろうとしていたと思う（監督はフォースのことを言おうとしたと釈明したが、それだとポーの前でも言える）。で、あのままポーが元カノのゾーリと再会しなければ、ポーもレイの方に行ったんじゃないかな（でもたぶん、レイにはフィンもポーも「お友達」なの）。
実をいうと、カイロ・レン（アダム・ドライバー）がEP7で登場した時、「美男美女のご先祖様の遺伝子、どこへ行った？？」と不満だったのだが、今回は、数年を経てアダム・ドライバーが俳優として頭角を現したからか、あるいは単に見慣れたからか、あまり違和感がなかった。素のベン・ソロに帰る場面もあり、この複雑なキャラクターは、（イケメン大根役者よりは）こういう独特の雰囲気のある俳優に演じてもらうのが良かったのかもしれないと思うに至った。
題名の「The Rise of Skywalker」は、ルークやレイアが亡くなったことにより、スカイウォーカーはいなくなったはずなのに……と謎だったが、ラストで「そう来たか～！」。
ハックス将軍て、きっとカイロ・レンのこと嫌いだろうな～と思っていたから、あれこれ納得。EP8であんな家族喧嘩に振り回された後だから、同情する。
映画を見た翌日、パルコ浦和店に行ったら、スター・ウォーズのグッズ・ショップが出ていた。
