『Sherlock Holmes on Screens 2 1940-1959』
Howard Ostrom、Thierry Saint-Joanis(Mycroft's Brother Editions)
Voilà, le volume 2 !
SSHF(フランス・ホームズ協会)から出たホームズ映画本第2弾。
こちらから購入できます。
第1弾についてはこちら:
今回も多国籍(日本の映画はなし)。1940~50年代なので、ベイジル・ラスボーン主演のホームズ映画と、アニメ映画が多数登場。
ガチなホームズ映画だけでなく、「ホームズっぽい」映画も紹介されているので、初めて知った日本未公開作品が目白押し。見たいと思ったものを挙げておく。
・フランス映画「Le Loup des Malveneur」(1943年)
和訳すると「マルヴヌール家の狼男」だろうか(こちらを参照しました)。
フランスがナチスドイツに占領されていた時期に製作された。「バスカヴィル家の犬」と「フランケンシュタイン」を併せたような作品。
古城の地下室で禁断の実験を行うマルヴヌール家の当主を演じるのは、ピエール・ルノワール。画家オーギュスト・ルノワールの息子で、映画監督ジャン・ルノワールの兄である。探偵役は、たまたま当地を訪れた画家(ミシェル・マルセー)だが、風貌や言動、パイプをくゆらせて謎解きを行う姿はまるでシャーロック・ホームズ。
・メキシコ映画「Arsenio Lupin」(1946年)
スペイン語のルパン映画だが、シャーロック・ホームズ(演じるのはホセ・バビエラ)も登場する。ルパン役のラモン・ペレーダと、ヒロインのイザベル役のアドリアナ・ラマールは夫婦で、何度か共演しているという。
スペイン語のルパンとホームズかあ。ラテンのノリなのかな。ちょっと気になる。
第1巻の補足として、巻末で1930年代の映画も紹介。
・フランス映画「Michel Strogoff」(1936年)
ジュール・ヴェルヌの小説『皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ』が原作。英国人ハリー・ブラント(アルマン・ベルナール)が登場するが、映画の中ではなぜかディアストーカーとインバネスのホームズ・ルック! 当時の英国人旅行者を表現するのに、この格好が使われたのだろうと。
Michel Strogoff (film, 1936) — Wikipédia
ちなみに『皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ』は何度も映像化されている。
アニメ映画の中には、なつかしい「ポパイ」もある。
・「Private Eye Popeye」(1954年)
日本では「ポパイの私立探偵」の邦題。ポパイ・シリーズは、日本でもテレビ放送された。
動画を見つけたので貼っておく。