昨年、文化村で「くまのパディントン」展を見て(記事はこちら:くまのパディントン展@文化村 - 横文字の島)、なかなか楽しかったけど、原作うろ覚えで行ったのを後悔。今回は存分に楽しみたいので、事前に本を読み返してから見に行った。もちろん、石井桃子さんの翻訳で。
東京は4月上旬で終わり、下旬から大阪で開催。
会場内は、一部写真撮影OKでした。
こんな風に、物語の世界を再現してあります。
川のせせらぎの音も聞こえて、観客も森の中を歩いているような雰囲気。
イーヨーのしっぽって、映画「プーと大人になった僕」だと、ホックでポチっと留めてた気がするんだけど、本の中では、取れちゃったしっぽを釘で(!)打ちつけていたんだよね。
春休みの時期に行ったので、子供も多かった。会場に向かう道すがら、クマプーのぬいぐるみを持った子供たちとすれ違ったよ(ママに買ってもらったんだね)。
会場で、ミルンの息子クリストファー・ロビンがクマのぬいぐるみを抱えている写真を見ていたら、自分も友人の息子さんにクマのぬいぐるみを贈ったことを思い出した。赤ちゃんの頃に、口に入れても大丈夫な素材のぬいぐるみを贈り、この子が3歳になった頃に会いに行ったら、そのクマさんを大事にしていて(クマさんの頭をなでなでしていたの)、オバちゃんとっても嬉しかったわ~。はからずも、日本版クリストファー・ロビンとプーさんを誕生させたわけだ。
その後、パパの転勤で遠くに引っ越してしまったのだけど、元気にしてるかな。今もクマをかわいがってるかな。オバちゃんのこと、覚えてるかな。
百町森(百エーカーの森)のモデルとなったアッシュダウンの森は、今では多くの観光客が訪れ、物語の世界を追体験できるという。いいなあ~。私もプー棒投げ、やってみたいなあ。少し前に、火災が起きたというニュースが流れたけれど、幸い、すぐに鎮火されたそう。
現在だと何種類か翻訳があるけど、石井桃子さんの翻訳になじみがある人も多いはず。会場に、なんと石井桃子さんの翻訳ノートが展示されており、一緒に見に行った同業者の友人ともども「おお!」。今回翻訳を読み返して思ったけど、古めかしい言い回しはあるものの、プーの歌の部分とか、子供ならではの言い間違いの部分とか、表現が素晴らしい。神ですわ。翻訳資料のコーナーは、ずっと見ていたかった。
これは「月刊MOE」のクマプー特集より。「原文はどんなだろう?どう訳したんだろう?」の疑問を解明。
ここの場面に、ワタシは『動物のお医者さん』を思い出したよ。
昨年公開の映画「プーと大人になった僕」は、社畜サラリーマンになってしまったクリストファー・ロビンがプーたちと再会するという内容。すっかり森の仲間たちのことを忘れていて、世知辛かったなぁ……。
原作者のA・A・ミルンは、『赤い館の秘密』など、ミステリも書いている。短編ミステリとして『シャーロック・ホームズの栄冠』所収の「シャーロックの強奪」(「ミステリ・マガジン」では「シャーロックの危難」の邦題)、『シャーロック・ホームズ17の愉しみ』所収の「ワトスン先生大いに語る」といったホームズ・パロディも書いており、ミステリ作家というか、あれ、もしかしてシャーロキアン?
売店で、他の英国関連書籍と一緒に『シャーロック・ホームズの栄冠』が並んでいたんだけど、そのままだとミルンの作品が収録されていると分からないと思う。どうせなら『赤い館の秘密』と一緒に置いて、ポップを付ければ良かったのに。