「ディーバ」は、ネオ・ヌーベルバーグの旗手と呼ばれたジャン=ジャック・ベネックス監督の映画(1981年)。
歌姫シンシアに憧れる青年ジュールは、パリのリサイタルで彼女の歌をこっそり録音する。シンシアはレコーディングをしない主義の歌手だった。この音源テープと、偶然入手した別のテープをめぐり、ジュールは追われることになる。
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シンシアとジュールの2人が明け方のパリを歩く場面で流れるのが「Sentimental Walk」(ウラジミール・コスマ作曲)。ピアノだけのナンバーだが、ジュールとシンシアの距離感、人の少ない静かな明け方のパリ、遠くに浮かぶエッフェル塔などと相まって、見る者はジュールの気持ちになってしまう。 1980年代って、フランス映画を深夜に地上波でノーカット放送していたんだよね(今思うと贅沢)。 謎の男ゴロディッシュ役のリシャール・ボーランジェを知ったのも、この作品。
この映画でもう一曲、外せない音楽がある。カタラーニの歌劇「ラ・ワリー」の「アリア」である。リサイタルでシンシア役のウィルヘルメニア・フェルナンデスが歌っている。