「プーと大人になった僕」Christopher Robin
監督:マーク・フォースター
主演:ユアン・マクレガー
A・A・ミルンの児童小説『クマのプーさん』のその後を実写映画化した作品。
クリストファー・ロビン少年は、くまのプーやイーヨー、ティガー、ピグレットたちと楽しい日々を過ごしていたが、寄宿学校に入ることになり、森を離れる。やがて父親の死、第二次世界大戦の勃発と従軍、会社勤めの日々により、いつしか仕事優先の大人になっていた。
週末、妻子とサセックスのコテージで過ごす予定が、会社の業績不振のため、休日出勤を命じられる。ロンドンに残ったクリストファーの前に、なつかしいくまのプーが現れ……。
我が家にも社畜……ゲフンゲフン、サラリーマンがいるので「一緒に見に行く?」と誘い、予告編を見せたが、ガチのサラリーマンには辛かったのか、断られた。もし見たら、「はあ、ヨーロッパはいいよな~。日本じゃこうは行かないからな~」と言われそうな気もするが、同族経営会社で働いた経験のあるワタシからすると、この映画でのクリストファー・ロビンの場合、サラリーマンの辛さというより、同族経営会社の辛さと表現した方が正しい気がする。
たぶんあの会社、初代が有能で、2代目がポンコツで会社を傾けるというパターンに陥りそうだから、今から後継者を育成しといて、株式上場しといた方が良いと思う。
ちなみに、ディズニーらしく分かりやすく嫌味な2代目を演じるのは、マーク・ゲイティス。そう、BBC「シャーロック」のマイクロフト兄である。こーいう役、上手なのね。
クリストファーの妻イヴリンが建築家として自立しているのが、現代的。当時としては珍しい方じゃないかな。たぶん、万が一、クリストファーが会社を去るという選択をしても、当面は困らないよという伏線なんだろうか。
日本のサラリーマンが見たら身につまされるかもしれないが、欧米でもホワイトカラーのエリート層はハードワーカーなので、やっぱり身につまされる人は多いはず。フランス映画「サンバ」(記事はこちら)では、シャルロット・ゲーンズブル演じるヒロインが過労で休養してるし、米映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」では、グウィネス・パルトローの姉が「銀行で14時間働いてる」という台詞が出てきた。長期休暇があるぶん日本より恵まれているけど、かなりハードだもん。
それにしても、「クリストファー・ロビンになって、思いっきりくまプーをモフりたい!」と思ったのはワタシだけでしょうか(あ、娘のマデリンの方がいいか。ぬいぐるみをモフモフしても不審がられない)。
2019年に、文化村ミュージアムで「クマのプーさん」展が開催されるので、見に行こう。