横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

パリジェンヌ展

 世田谷美術館で開催中の「ボストン美術館 パリジェンヌ」展に行ってきた。紛らわしいけど、ボストン美術館の所蔵品を中心にした展示。

www.setagayaartmuseum.or.jp

 時代設定を18~20世紀と幅広くとってあり、ドレスとか、写真とか、絵画以外の作品も展示され、思っていたより絵画が少なめ。まあスペースが空いている分、ゆっくり見られるんだけどさ。

 

 19~20世紀に活躍したフランスの女優サラ・ベルナールが製作したブロンズ作品が見られ、けっこう貴重かも。でも、「パリジェンヌ」展なので、できればその近くにサラ・ベルナールをモデルにした肖像画か写真の一枚でも展示して欲しかった。なにせ彼女自身がパリジェンヌだから。

 ポスターにも使われたマネの作品でモデルをつとめたヴィクトリーヌ・ムーランは、後に画家に転じたという。マネのモデルで画家でもある女性といえば、ベルト・モリゾが有名だが、同じようなケースがあったのか。

 サラ・ベルナールの話と併せると、描かれるだけでなく、自ら絵を描いたり、作品を製作する側に回る女性は結構いたのかもしれない。

 

 ベルト・モリゾの作品は有名だが、画家ムーランの作品も見てみたいなと思った。会場にはあいにく展示がなかったが、後日NHK Eテレ日曜美術館」で作品を見られた。最近の女性美術史家の研究で彼女の晩年について分かったり、作品が見つかったりしたという(それまで絵はどこにあったのか?)。なんだろう、最近脚光の当たった、北斎の娘お栄のことを思い出してしまった。彼女もまた、再発見された女流画家だ。
 

 ちょっとフランス語の話をする。「パリジェンヌ」の意味は「パリの女性」だから、パリ在住の外国人女性もOK。それはそうなんだけれど、サージェントの絵画では、画家もモデルも米国人(厳密には、ボストン美術館があるボストンゆかりの人)、ドレスはフランスのデザインの影響を受けて仕立てたものとあるが、すまんが、どこらへんがパリなの?「パリジェンヌ」でくくるの無理な気が。素敵な絵なんだけどね。


 世田谷美術館へ行くのは久しぶり。前回はもっと展示作品が多くて、くまなく見たので時間がかかった記憶が。その時は電車利用で、駅からものすご~く歩いたっけ。今回は冬だし、腰痛持ちなのもあって、なるべく楽なコースを調べ、渋谷から砧町までバスを利用。道端に古い建築でも建ってないか、車窓から景色を眺めるつもりが、睡魔に負けた……。