過去に他の媒体で発表した記事を紹介する「アーカイブ」シリーズ。フランス編に続き、スイス(仏語圏)編を紹介します。
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ホームズ博物館(スイス・リュサン)
Musée Sherlock Holmes ― Lucens
スイス情報.com(日本語)
シャーロック・ホームズ博物館・Musée Sherlock Holmes ( Vaud ) | スイス情報
ホームズ博物館公式サイト(トップページは仏英独)
Musée Sherlock Holmes - Commune de Lucens
開館日時などは上記サイトを確認のこと。変更になる可能性もあるので、確実に訪問するなら、事前に問い合わせる方が安全かも。
また、オープン直後の2001年は写真撮影OKでしたが、現在は不明です。
後ろはリュサン城
手前の赤い屋根の家(メゾン・ルージュ)がホームズ博物館
アーサー・コナン・ドイルの息子エイドリアンが1965年にリュサン城を購入、移住した。父親から相続した家具・小物でホームズの居間を再現し、父親やホームズに関連のある展示物でホームズ博物館を開設した。 エイドリアンの死後もコナン・ドイル財団および城の購入者によって1985年まで博物館は公開されていたが、城の転売後、非公開となった。
コナン・ドイル財団、城の所有者、リュサン市の間で交渉が行われた結果、展示物はリュサン城から「赤い家(Maison Rouge)」に移され、2001年夏に再び公開されることになった。スイスとフランスのホームズ団体がアドバイザーを務める。
<フランス・スイス旅行記>「ホームズの世界 25」所収(2002年)より
パンフレットと、居間の写真のポストカード
ホームズの居間
英米仏の音声ガイド付き。音声に合わせて展示物にスポットライトが当たる。ガラスごしに見るだけで居間には入れないが、ホームズの時代の家具・小物で構成される居間は見ごたえがあり、音声ガイドが終わってからもガラスから離れられなかった。これまでロンドン、スイスのマイリンゲンでホームズの居間を見てきたが、私見ではリュサンがベスト。ちなみに新聞も19世紀末のものという凝りよう(「切り裂きジャック」の挿絵だった気がする)。
展示内容
ドイル一家を偲ばせる遺品・愛用品が展示されていた。コナン・ドイルの肖像画の下に愛用の椅子がおいてあったり、エイドリアン夫妻の胸像が飾ってあった。
聖典に関連したものとしては、金庫に載った”まだらの紐”のホルマリン漬け、ヴァイオレット・ハンターの髪(ぶな屋敷)、拳銃などなど。地元のシャーロキアンが”スマトラの大ネズミ”の剥製を展示したいと言っていたが、果たして実現したかどうか。
書籍では、英仏の研究書が展示されていた中で、日本語の雑誌「世界感覚」が目を引いたが、キャプションはなぜか「ONDORI TSUSHIN」(雄鶏通信)だった。日本語の雑誌が複数あったので間違えたものと思われる。スイスのシャーロキアンに正しい名称を伝えたので、現在は直っている……はずである。
現在のお土産情報(ページの下半分)
Boutique Sherlock Holmes - Commune de Lucens
スイスのリュサンに行ったのは、2001年の夏。ちょうどスイス・ロマンド・ホームズ研究会が設立された直後で、フランス・ホームズ協会の人から「スイスへ行くなら寄りなよ」と教えてもらった覚えがある。
「スイス・ロマンド」は「スイスのフランス語圏」という意味。スイスの公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つで、フランスに近いジュネーブやローザンヌ、リュサンの辺りはフランス語圏。スイスには既にドイツ語圏にホームズ団体があったが、新しくフランス語圏にもできたという次第。
この後、ローザンヌでスイス・ロマンド・ホームズ研究会のメンバーに会い、パリではフランス・ホームズ協会のメンバーに会った。スイスの方は、私と同行の友人と同世代ということで、なぜか日本のアニメの話で盛り上がった(「ハイジ」とか「マジンガーZ」とか……)。フランスの方は、その2年前の1999年にロンドンで会っていたので、皆と旧交を温めた。
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