横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

ジャッキー  ファーストレディ 最後の使命

「ジャッキー  ファーストレディ 最後の使命」Jackie

監督:パブロ・ラライン
主演:ナタリー・ポートマン


 ”ジャッキー”ことジャクリーン・ケネディが振り返る、ケネディ大統領暗殺から葬儀までの数日間。ナタリー・ポートマンがジャッキーの喋り方を完コピして熱演。ケネディ大統領が”伝説”になった背景が描かれている。

 以前、ケネディ大統領暗殺事件を描いた「JFK」を見たが、そちらは捜査に執念を燃やす検事(ケビン・コスナー)が主役だった。「JFK」は事件の数年後も描いているので、弟であるロバート・ケネディの暗殺もニュースで流れていた。なので、本作でロバート・ケネディの姿を見て、「ああ、確かこの人も後年暗殺されたんだっけ」と思い出し、JFKの葬儀で、各国要人を歩かせるのか、車で移動させるのかですったもんだするくだりに、不穏な重い空気を感じた。この一族を見舞った悲劇の始まりとして。

 



 ジャクリーン・ケネディが結婚前はジャーナリストだったというのは、この映画で初めて知った。テレビであったり、新聞、雑誌であったり、どうりでメディアの利用の仕方が巧みだなと納得。例えば、テレビの場合は、映画の中でも登場したように、ホワイトハウスを案内する番組を放送して、国民に向けたイメージアップとしてうまく使っていた。

 雑誌の方は映画の中では名前が出てこなかったけれど、どうやら「ライフ」誌のセオドア・ホワイトによるインタビューに基づいているらしい。活字になったこと、ならなかったこと。記者とのやり取りは、静かな迫力を感じる。

 また、セオドア・ホワイトも知りえなかったであろう、ジャッキーと司祭の対話。映画なのでフィクションの部分もあるかと思うが、「ジャッキーは本当はこんなことを語ったんじゃないか?」と想像をめぐらせる。

 在任期間が短く、大きな実績も残せなかったケネディ大統領が”伝説”になったのは、ジャッキーの尽力ばかりでなく、その後のロバート・ケネディ暗殺事件や、息子ジョンの事故死により、悲劇の一族と呼ばれたことも一因ではなかろうか。

 平日なのに劇場は結構な混み具合で、やはり最近まで大統領夫妻の娘であるキャロライン・ケネディ(映画の中ではまだ小さな女の子だった)が駐日大使を務めていたことも関係あるのかな。

 

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