ダニエル・スミス「シャーロック・ホームズ完全ナビ」(記事)にラジオドラマ作家バート・クールズのインタビューが載っていた。
BBCラジオドラマのシリーズが大好きだった。ホームズ役を演じるのはクライブ・メリスン、ワトスン役はマイケル・ウィリアムズ(女優ジュディ・デンチの夫だ)。
The Adventures of Sherlock Holmes: BBC Radio 4 full-cast dramatisations (BBC Radio 4 Dramatisations)
- 作者: Arthur Conan Doyle,Clive Merrison,Full Cast,Michael Williams
- 出版社/メーカー: BBC Physical Audio
- 発売日: 2014/12/18
- メディア: CD
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画像は日本のamazonから。シリーズで何作も出ている。
メリスン演じるホームズは、やや甲高い声で、早口で、エキセントリックな雰囲気があり、声だけで比べたら、私にとってベストのホームズだ。英語のリスニング力が向上してからグラナダ版を見たが、ジェレミー・ブレットの声よりも、メリスンの声の方が好みだ。
対して、ウィリアムズ演じるワトスンは、ホームズのエキセントリックさを補うかのように、優しくて穏やか。こんな声と話し方の英国紳士に話しかけられたら、絶対に英国びいきになる。
ラジオドラマの性質上、声と音でしか伝えられないこともあり、聖典と比べて多少の脚色は入っていたが、どの作品も素晴らしかった。
このシリーズは、イギリスに語学留学していた時に発見した。ラジオの再放送を聴き、書店でカセットテープをせっせと買い集めた。後にCDが発売になった。少し前に、インターネットラジオで聴けるようになっていたが、現在は終了。またそのうち、聴けるときもあるかな。後々のためにリンクだけ貼っておく。
BBC Radio 4 Extra - Programmes categorised as Drama: Crime
もう一つ、日本であまり存在を知られていないフランスのラジオドラマを紹介する。ミステリ作家コンビ、ボワロー&ナルスジャックの片割れ、トマ・ナルスジャックが脚本を書いた「バスカヴィル家の犬」だ。こちらはフランスで見つけたものだ。
ネットで見つけたカセットの写真。左から3つ目が「バスカ」。
大きく設定が変わっていたのは、物語の時代だ。聖典の「バスカ」では、電話は登場しなかった。依頼人に同行してダートムアに行ったワトスンは、ロンドンに残ったホームズと電報でやりとりをしていた。
ところが、このラジオドラマでは、時代をもう少し後に変えたらしく、ロンドンの(というか、ロンドンにいるふりをする)ホームズから、ダートムアのワトスンに電話がかかってくるのだ。やはり、声と効果音だけで進行するラジオドラマの特性に合わせて、脚色したのだろう。
ミステリ出版社のマスク叢書をラジオドラマ化した、「Les Maîtres du Mystère aux Éditions Le Masque」シリーズの一つ。カセットケースには、黄色地に黒の仮面の絵(同シリーズのトレードマーク)とタイトル、作家名が印字されている。
(写真はネットで見つけたもの)
ほかにも色々なミステリがラジオドラマになり、カセットテープで販売されていたので、もっと買ってきても良かったかな。
現在ではラジカセを処分してしまったので、カセットテープは再生できないのだが、今も持っている。
フランス語の方も、インターネットラジオで聴けるらしい。目当てのものがあるかは分からないが、後々のため、こちらもリンクを貼っておく。
Les Maîtres du mystère - Archives vidéo et radio Ina.fr
【追記】トマ・ナルスジャックが脚本を書いた「バスカヴィル家の犬」は、下記でも聴ける。「7:Le Chien des Baskerville」をクリックすると再生される。他にもミステリのラジオドラマが並んでいる!
Les maîtres du mystère Volume 2 | Audio Litterature