横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

南国少年パプワくん

南国少年パプワくん
柴田亜美
エニックス


 デヴィッド・ボウイ追悼記事(こちら)で、「南国少年パプワくん」のマジック総帥のモデルがデヴィッド・ボウイだと書いた後、何だか久しぶりに読みたくなってしまった。今だと新装版や電子書籍も出ているけど、昔読んだカバーで読みたくて、古本でまとめ買い。おう、ぐれいとりっち!(古本だけどな)

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 当時は単行本をリアルタイムで読んでいたから、20ン年ぶり。
前半のエピソードはよーく覚えていた。ガンマ団から秘石を持って逃げたシンタローを追って、何人も刺客が登場するんだけど、「ミヤギ」「トットリ」とか47都道府県にちなんだ名前や必殺技を持っている。「そうそう、これこれ!」と思いながらなつかしく読んだ。

 男前さんがいっぱい出てくるけど、女っ気ゼロ! なのに、BLには走っていない、不思議な世界。「柴田節」は冴えていて、今読んでも大爆笑。最初はシリアスキャラで登場した人物も、後半になるにつれてお茶目なキャラに変貌したり。

 


 しかーし。後半に入るとサッパリ覚えてない。こんなにシリアスで重厚な話だったのか? 基本的に登場キャラはファミリーと、元・刺客たち(その後シンタローの仲間になる)、島の仲間たちなのだが、ここに特戦部隊とかが加わる。昔読んだはずなのに、新鮮な気持ちで読んだ。でも、なぜかラストの、シンタローがガンマ団総帥の後継者となって、殺し屋軍団をやめたくだりは覚えている。どうなってんだ、オレの記憶力!?

 普段ミステリとか複雑な話を読み慣れているつもりだったけど、モノクロだからか「これは赤い方? 青い方?」と混乱して、前の巻を読み返したのは内緒。ううん。でもきっと、頭が柔らかい若い読者(ちみっ子たち)は、すんなり読んだんだろうな。

 単行本の奥付を見ると、前半の頃はまだ学生だったのでわりと時間があって、繰り返し何度も読んだんだと思う。後半が出た頃には社会人になっていて、たぶん、一回さっと読んだきり。同じ家に住むきょうだいが買ってたから、「貸ーしーて♪」と言えば読めたはずだが。そんな暇もなかったのか……。どんだけ生活が荒れていたんだ、当時のオレ……。

 その後、「南国少年パプワくん」はアニメになったけど見ていない(社会人だったから放送時間には家にいない)。続編の「PAPUWA」が出ていたことも、最近まで知らなかった。いやだな、大人って……。

 「PAPUWA」の方も読んでみようかとふと思ったけど、全14巻ですと! さすがに場所をとるがな。うーん、ここは電子書籍かな。でも寝る前に読むから、タブレットより紙の方が目が疲れなくていいんだけどな。どうしようかな。