横文字の島

Ile de l'alphabet ~ ある翻訳者の備忘録

サンタ・クロース

SKIPシティ映画祭の続き。

 

サンタ・クロース」Père Noël 

フランス映画(2014)
アレクサンドル・コフレ監督

<あらすじ>
聖夜のパリを舞台にした、
泥棒と少年のキュートな物語。

サンタ・クロースとソリに乗ることを夢見る少年アントワーヌ。
クリスマス・イブの夜、彼の部屋のバルコニーに、サンタ・クロース
格好をした泥棒が落ちてくる。そのとき、二人のひと晩かぎりの冒険が始まった。

 泥棒役はタハール・ラヒム。「預言者」や「ある過去の行方」「サンバ」に出演している俳優さん。映画祭の海外作品の中では、日本でも知名度が高い人なんじゃないかな。

 アントワーヌ役の子供がかわいい。6歳という設定が絶妙で、サンタも信じているし、亡くなったパパにまた会えると本気で信じている、そんな年齢。でも、本当の6歳児は、一晩起きていたりできないぞ(途中、うとうとしていたが)。

 アントワーヌに見つかってしまった泥棒は、ついてきてしまった少年と、成り行きで一緒に行動することに。しかも、高所を怖がらない、大人より身軽ということで、なんと、アントワーヌに泥棒の手伝いをさせる。「金(きん)はソリの燃料だ」と嘘をついて。盗みに入ったある家で、見つかるきっかけが子供らしい。トイレが我慢できず、しかも水を流した音で、家の者が起きてきてしまうのだ(小さい子供あるある)。

 泥棒もけっして悪い奴じゃなく、施設で育った不幸な境遇から、犯罪に手を染めている。人の良さがにじみ出ているのだ。最初はアントワーヌに「早く寝ろ!」とか「帰れ!」と言っていたのが、ついにはなんとかソリを見せてやろうとするのだ。最後に、おもちゃ屋で働く姿を見ると、子供が好きなのかもしれないと思わせる。

 

 後で調べると、フランスでは2014年12月に公開されている。クリスマスシーズンにふさわしく、ほのぼのする温かいお話でした。

 

映画祭公式サイトはこちら

 

会場にあった、フランス公開時のポスター

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